2018年国際味覚審査機構(iTQi)優秀味覚賞クリスタル味覚賞受賞報告

アイ・イート株式会社および宇都宮大学は、独自開発したイチゴの高品質輸送技術を用いて、栃木県内産の完熟イチゴを国際味覚審査機構(iTQi:ベルギー、ブリュッセル)が主催する優秀味覚賞(Superior Taste Award )2018 に出品し、優秀味覚賞三ツ星(3 Golden Stars)を受賞しました。さらに本年は三ツ星3年連続受賞者に贈られるクリスタル味覚賞(Crystal Taste Award)を併せて受賞いたしました。

 

宇都宮大学発ベンチャー企業のアイ・イート株式会社は、同大学と共同し高品質を維持したまま無傷で輸送できる大型イチゴ用個別包装容器「フレシェル®」の開発や、輸送時の品質低下要因の把握と品質保持技術の開発など、日本産大型完熟イチゴの長距離高品質輸送技術の研究に取り組んできました。

 

宇都宮大学が開発した個別包装容器「フレシェル®」は、50~80g程度の大型イチゴを、果実表面に触れることなく容器内に固定・格納することができ、輸送中も容器壁面等にイチゴが接触することがないため、イチゴの外観品質及び内部品質を保つ期間を大幅に延長することを可能にしました。アイ・イート株式会社は個別包装容器「フレシェル®」の量産化技術を開発し、販売を担当しています。

 

また、様々な輸送手段・輸送経路・輸送資材による国内および海外輸送環境調査を複数回にわたり実施し、イチゴを長距離輸送するための最適な手段を検討してまいりました。

 

私共はこれらの研究の過程において、輸送先での第三者による品質評価が重要であると考え、ブリュッセル(ベルギー)に本部を置き、世界中の食品・飲料品の「味」を審査し、優れた製品を表彰・プロモーションする機関である国際味覚審査機構(iTQi)の審査会に、栃木県産の大粒完熟イチゴを2015年より出品してきました。

 

栃木から9000㎞以上離れたブリュッセルへ大型完熟イチゴを輸送するには、高度な輸送技術が必要となります。宇都宮大学およびアイ・イート株式会社は、日本産の非常に良食味な大型完熟イチゴを、独自開発した高品質輸送技術を用いてブリュッセルへ輸送し、無傷かつ良食味を維持した状態で審査会に出品した結果、2015年は優秀味覚賞二ツ星、2016年・2017年・2018年は優秀味覚賞三ツ星を受賞し、本年2018年は三ツ星を3年連続受賞した製品に贈られる「クリスタル味覚賞」を受賞しました。

 

これらの成果によって、私共の技術を用いることでイチゴの高品質長距離輸送が可能であること、日本産完熟イチゴが海外の有名シェフの厳しい味覚評価に十分応えることができるということが証明されました。品質が維持できれば日本産完熟イチゴは海外で十分戦えることを意味しています。  

 
これまでの受賞に際し、出品にご協力賜りました生産者及び生産関連機関の方々、行政機関、輸送機関、現地にてご対応いただきました関係者の皆様、その他本プロジェクトにご賛同・ご支援くださいました皆様に心より御礼申し上げます。 アイ・イート株式会社は、この実績をもとに、日本産イチゴの高品質輸出および高品質流通・販売に積極的な方々と連携し、今後も日本の農産物輸出に貢献していきます。

 

なお、審査会は4月に行われ、5月に受賞の通知を受け、6月11日にはブリュッセルで授賞式が行われ、弊社社長および関係者数名が出席いたしました。